大島写真事務所のブログ

写真の最強バックアップ

カメラマンとし撮影を生業として10年が過ぎまして、コロナ禍において撮影が激減、やる事といえば家中の掃除や整理、所謂「断捨離」というものも頑張りました。

そして写真のデータ整理をしていて外付けのハードディスクの反応がイマイチ鈍く感じるように。

仕事柄PCを立ち上げる時は大体ハードディスクも稼働しているので平均3年~4年(約26,000~35,000時間)とされている寿命を考えながらも稼働時の音には注意を払ってます。

写真のバックアップの方法は色々とありますが、ここでは私の考えるバックアップの方法について発信していこうと思います。

バックアップの種類

写真データのバックアップ方法は様々

・撮影したメディアのまま保存
・クラウドへ保存
・外付けハードディスクへ保存
・CD-R、DVD-R、ブルーレイディスクへ保存
・LTOドライブへの保存
・プリントしてアルバム保存

現状として上記のような保存方法が存在します。
その保存方法のメリット・デメリットについて簡単に説明を。

撮影したメディアのまま保存

デジカメには撮影するにあたりSDカードなどの記録用のメディア(カード)に撮影データを保存します。
撮影終了後にパソコンを使いパソコン本体や外付けハードディスクに撮影データをコピーして保存し、その後フォーマット(カード内データの消去)をして繰り返し使用することができます。
記録用カードにも寿命があるので半永久的に使用できるわけでもありませんが、フォーマットせず、カードにデータを残したままそのカード自体を保管して、新たに撮影する際は別に新しくカードを購入し撮影するという方法です。

この方法はカードを買い足すという楽な方法ではありますが、買い足すにあたり金銭的な負担があります。また、カードへの記録というのは磁気データであるということから静電気が大敵であり、なにかの拍子に「パチン」となったらその一瞬でカードないデータが完全消失、なんてこともあり得ます。

これは普段から注意すべきことで、カメラからカードを抜き差しする際にも注意が必要です。

クラウドへ保存

クラウドストレージのサービスはGoogleやAmazoやクラウド専門サービスを提供している多くのサイトがあります。
容量によって有料であったりもしますが、物理的に保存メディアを持たなくてもよい、外出先からでもデータを確認したりできる、共有しやすいなど便利な事が多いです。
撮影量の多さやデータの大きさにもよりますがクラウドに保存することのデメリットとしては・・・

・保存先のサービスが終了となった場合、データをダウンロードして別のクラウドや自身のハードディスクなどへ保存し直さなければなりません。

・乗っ取りの危険性
IDやパスワードの乗っ取りによってデータの流出、消去など悪戯の被害が無いとは限らないのでわかりやすいIDなどは要注意(他のあらゆるIDなども同じですね)

・容量がいっぱいになった時の対処を考える必要性
これは外付けハードディスクへの保存と似たことになりますが、別のクラウドサービスを利用するか、有料サービスへ移行したり、元々有料サービスを利用しているのであれば容量を買い足す必要があります。

外付けハードディスクへの保存

一番メジャーでは無いかと思う保存方法ですが、この方法にも注意点がいくつかあります。

ハードディスクの寿命を理解しておく事が大前提でありますが、ハードディスクはプラッタというディスク(円盤)にスイングアームというレコードの針のついたアームの様なもので磁気データを記録するという構造(上手く表現出来なくてすいません)ですから、衝撃、水、静電気は大敵です。

金属であるプラッタ(円盤)が物理的に回転しているため、寿命があると解釈したら理解しやすいかな、と思います。

ミラーリングという方法で常に同じデータを複数のハードディスクに保存して、片側が壊れても片側のデータが助かるといった方法もあります。

現在はテラ(TB)という大容量(1TBでCD-Rが約1100枚分)となっており、多くの写真データを保存することが出来ます。

私が普段使っているハードディスクは4TB〜8TBという容量で、トータル20TB以上のハードディスクを所有しており、今回この記事を考えついたのはハードディスクを買い足すにあたり、どうバックアップしていくのが最善であるかを考えたからでもあります。

容量が大きくなっていくことは1つのハードディスクで多くのデータを検索することが可能であり、便利である反面、1つのハードディスクであるが故に、故障した時のダメージも大きくなります。
データ復旧サービスというものもありますが、高額である事と、100%復旧する保証もありません。
撮影時のカードも同じく、たくさん撮れるからって大容量のカードを使って、カード自体を紛失したり、エラーが起きたらカード内の全てのデータがなくなるといった事もあり得ます。


CD-R、DVD-R、ブルーレイディスクへの保存

この方法は外付けハードディスクへの保存と併用することによってデータ保存への安心感が高まります。

CD-R、DVD-R、ブルーレイディスクは容量の違いと再生させるための機器の違いくらいで作業的なものはほぼ同じと理解しても良いかと思います。

私は仕事柄、一度の撮影にしようするデータ量が大きいため、ブルーレイに保存しておりますが、内容(データ量)によってはDVD-Rにすることもあり、使いわけをしております。

物理的にディスクが増えていきますからそれなりにかさばっていきますが、盤面に保存内容を書き留め、リスト化しておく事で必要な時にデータを引き出すことが出来ます。

先にも書きましたが、外付けハードディスクと併用することによってハードディスクにエラーが生じてもこちらにはデータが残されています。
こちらも物理的に変形や割れたり、傷を付けない限りデータは守られると考えても良いでしょう。
注意するべきはコピーが終わってからちゃんと保存されているか確認することです。

LTOへの保存

これは業務用なので一般的には物理的、金銭的には現実的では無いですが、わかりやすく言えば、カセットテープへの保存です。

デッキにあたるドライブ機器が安いものでも30万円以上します。
なので割愛します(笑)

プリントしてアルバムへの保存

これは読んだそのまま、写真データを昔ながらの「写真」としてプリントしてポケットアルバムでも構いませんので保存しておくことです。

ただし、プリントは街の写真屋さんのようなところでのプリントを強くお勧めしたい。

家庭用のインジェットプリンターでもプリントはプリントですが、インクジェットプリンターの最大の欠点は水に弱いことです。

この方法を強く勧めたい最大の理由は11年前の東北の震災、津波です。

スマートフォンのカメラが高性能になり、手軽に、気軽に綺麗な写真が撮れる様になり、フィルムを使っていた時代からは考えられないくらい写真をたくさん撮る時代ですが、データはスマートフォンの中やパソコンの中、大切な思い出がデジタルで保存されています。

津波の被害に晒された東北の震災では多くの思い出も津波にさらわれました。

災害派遣に自衛隊、消防、警察、ボランティアなど多くの人が参加、そんな中、思い出を残すプロジェクトもあったのです。
瓦礫の中から見つけ出された写真を洗浄し、持ち主に返す活動です。
そこで直面したのが元に戻すことの困難さです。
インクジェットでプリントされたものは海水に晒されインクが流れ、どんな写真であったかもわからない、データを保存していたハードディスクやスマートフォンは起動しない。
そこで助かったのは「写真屋さんでプリントした写真」なのです。

写真屋さんでのプリントは特殊な紙(印画紙)が使われております。

印画紙と呼ばれる紙には樹脂が使われており、水に強いのです。
災害現場で行われたのは見つけ出された写真を水で洗浄してシワを伸ばして乾燥させる、といった作業です。
表面についた傷までは復旧できませんが、泥などの汚れは水で柔らかくしてそっと落とすことが出来ます。
元々写真のプリント自体が乳剤(薬品)が塗られた紙に写真の画像を光として照射し、それを現像液に入れることで化学反応で色が出てきます。
ですから元々液体に入れることが前提とされた紙ですので水にも強いのです。
ご家庭にある写真もちょっと汚れがついているなら水道水に浸してやさしく洗い流して表面に触れないように乾燥させてあげたら綺麗になります。
原点回帰とでも言いましょうか、100年前の写真も現存してますから、本当に大切な写真はちゃんとしたプリントをオススメします。

たくさんあるとアルバムが増えていき、本棚を占領してしまいますが、決して嫌なものでは無いかと思いますが、アルバムも無造作に入れるだけでなく、切り貼りしてキャプション入れたりマスキングテープなどでデコレーションしたりしてオリジナルの写真集を作ってみたら見返すのも楽しくなるでしょう。

照明も使い方次第

三寒四温

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