先日のライブ撮影の余韻に浸りながら写真のセレクトなどの処理作業を進める中でいつも感じることがある。
ライブの醍醐味はやはり「生演奏」であるということ。
それを目の前で演奏して歌っている。
伝わるのは会場の熱気であったり、出演者さんの視線や息づかい、歌のメッセージなど沢山のものが発信されてます。
それが気持ち良くてライブハウスに行ったりする方が多いでしょうし、それがライブの一番いいところでもあると私は思ってます。
撮影禁止のアナウンスも無く、撮影OKなライブもあります。
その場合、多くの人がスマートフォンで写真や映像を残そうとします。後から見返して楽しもうとしているのでしょう。
それってライブの楽しみ半減してませんか?
撮影することを生業としている私はカメラを持たずにライブにお客さんとして行っても、「あ、ここでこっちからこう撮りたい」とか、職業病みたいにいい画角を探してしまいますが、基本的にファインダー(カメラ)を通さずに見えるステージははるかに迫力を感じます。
なのに、スマートフォンのレンズをステージに向け、視線はステージでは無く手元の画面なのは勿体なさ過ぎるように感じてなりません。
ちょっと前にお邪魔したアコースティックライブでは撮影では無く、純粋に演奏を楽しみに行きましたが、やはり肉眼で直視するステージは良いものでした。
仕事ではピントやシャッター速度などカメラの設定に意識がいくので曲に集中できません。
スマートフォンなどでも画角を気にするので似たような状況になると思うのです。
記録や記念として残しておきたい気持ちがわからないわけでも無いですが、せっかくの迫力は印象が薄くなっているでしょう。
外食時にSNS用の写真をこだわりまくって撮影する人も同じかとも思います。
これも出てきたせっかくの出来立てが台無しになりかねないですよね。
とある有名人がやっていた方法にいいな!って思ったのは、出てきた料理は5秒以内に撮影を終わらせる、じゃなきゃ作ってくれた人に失礼だ、と。
メニューの撮影する時は実際に出してもらう前に入念に空のお皿などで配置などを確認して、実際の料理は素早く撮るようにしてます。
料理が出てきてからも時間をかけなくてはならない場合もありますが、撮影が終わった時にはそれを食べるにはちょっとした抵抗を感じる状態になっていたりもします。
割り切って、撮るのか楽しむのかが肝心かと。
お子さんの運動会や発表会などご夫婦で見にいく時って大体どちらかが撮影担当だったりすると思いますけど、手放し(生)でで見ている方がその場の空気を思いっきり感じていることでしょう。
先日のライブではお客さんの撮影は禁止。
でも粋な計らいがあったのは、最後の一曲になる時にステージから、「この一曲だけは撮影OK!でもSNSへのアップはやめてね」とのお声かけ。
お客さんは一斉にスマートフォンを取り出し撮影しまくり。
撮りたいという欲求を最後まで押さえ付けるのではなく、1曲だけどそれを解放させてくれる演者さんの優しさを感じました。
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