最近のスマートフォンのカメラの進化は写真撮影を生業としている私には営業先で「あ、スマホの写真で充分だから」なんて断られたりするくらい綺麗に撮れたりします。
それに争うかのように、また、スマートフォンでは出来ない撮影を技術として身につけて、やっぱり写真はお任せしますと言われるように精進していかなきゃならないしがないカメラマンが今回はその敵の様なスマートフォンのボケ味を出す写真が撮れる「ポートレートモード」のボケ味の編集について解説をしてみようかとの試みです。
たくさんあるスマートフォンの中でも私自身はiPhoneユーザーであり、iOS以外のスマートフォンを所有した事がないので今回はiPhone限定の私なりの解説となります。
解説するために使用した端末はiPhone11pro、iOS15.4.1 (2022.4.7現在最新)です。
この1台での解説ですので端末の違いによる操作の相違があっても、こんなもんだって大きく解釈して頂ければ幸いです。
ってなわけで本題。
iPhoneのカメラのポートレートモードは背景をボカして撮影する事ができて、メインの被写体を際立たせる効果のある撮影が出来ます。
まず、iPhoneの写真フォルダからポートレートモードで撮った写真を選択します。
その際、アルバムの画面をスクロールするとメディアタイプごとに分けられているのがわかるのでそこから編集したい写真を選びます。
先日撮影に行った学校の集合写真セッティングを撮影したものです。
背景の緑、建物がボケているのがお分かりになるかと思います。
このボケを撮影後にもコントロールすることが出来ます。
①画像左上に「ポートレート」との表示があればボケのコントロールができるポートレートモードで撮影したものであるとわかります。
画面右上の「編集」をタップして編集します。
②編集をタップするとポートレートと表示されている左側に【f4.5】と表示されます。
その【f4.5】をタップすると③の画面になります。
③画面下に目盛が出てしますのでそれを左右に動かすことでボケをコントロールします。
目盛りを直接左右に動かすのですが、fの数字が小さくなると強くボケます。
反対にfの数字を大きくするとボケは無くなってきて背景がクッキリしてきます。
f値についても質問が多いのですが、知りたい方はウィキペディアなどで調べてみて下さい。
④好みのボケ具合で右下のチェックマークをタップして保存します。
⑤画像の編集情報も一緒に保存されているので元に戻したい場合は画像を開き、①の編集をタップ、⑤の右下に出てくる「元に戻す」をタップします。
⑥そうするとオリジナルに戻すかどうかを聞いてきますので元に戻す事ができます。
この際、ボケだけでなく、トリミングや明るさなども編集していた場合、そういった情報も全てオリジナルに戻されますのでご注意を。
こうすることでポートレートモードで撮影したものはボケ具合をコントロール出来るわけですが、あくまでもこれは一眼レフなどで撮ったものとは別の手法でボカしているということを理解していただきたい。
一眼レフなどでは光学的にボケ味を作り上げているのですが、iPhoneのポートレートモードでは光学的ではなく、画像処理でボカしています。
それが変わるものとしてもこの写真を使ったのですが、よーく見るとわかります。
ピントの合っている場所を検出して、その輪郭以外の場所をボカす、と表現すればわかりやすいでしょうか。
赤丸の中が雲台のレバーやバッテリーのカールコード、カメラストラップなどがある為に輪郭検出が複雑となり、ボケ方にバラつきがあります。
特に白丸の部分は本来ボケてなくてはいけなかったり、ボケていてはダメな部分だったりします。
赤丸の外側の植え込みはボケているのに白丸内の植え込みはピントが合ってます。
カールコードは上側の白丸内はボケているのにそれ以外はピントが合っています。
明らかに輪郭検出の甘さでしょう。
箱物やボトルなどの輪郭のハッキリとしたものでしたらこの様な現象は出にくいことでしょう。
様々な画像加工アプリもありますが、初めから実装されているものでもかなりの加工が出来ますので、気が向いたらまたこの様なiPhoneの中にある機能を紹介していこうと思います。
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